毎日アシナガバチが家の周りを偵察しているのを見ると、いつか巣を作られてしまうのではないかと気が気ではありません。巣が完成してから駆除するのは大変な労力と危険が伴います。最も賢明な対策は、そもそもアシナガバチに「この家には巣を作りたくない」と思わせる、予防策を講じることです。春先、女王蜂が巣作りを始める前の段階から対策を行うのが最も効果的です。まず、物理的に巣を作らせないための「忌避剤」の散布が有効です。市販されているハチ専用の忌避スプレーや殺虫スプレーには、ハチが嫌がる成分が含まれており、これを巣を作られやすい場所に事前に吹き付けておくことで、女王蜂を遠ざける効果が期待できます。軒下やベランダの天井、窓枠、玄関の庇など、前年に巣を作られた場所や、巣作りの候補となりそうな場所に、二週間から一か月に一度程度の頻度でスプレーしておきましょう。また、化学薬品に抵抗がある場合は、木酢液やハッカ油を水で薄めたものをスプレーするのも、一定の忌避効果があるとされています。次に、アシナガバチの餌場にならないようにする「環境整備」も重要です。アシナガバチは、庭木や草花につく毛虫や芋虫を餌とします。庭の手入れをこまめに行い、植物の葉の裏などをチェックして、害虫が発生していたら早期に駆除しておきましょう。餌がなければ、アシナガバチがわざわざ狩りのために立ち寄る理由も少なくなります。同様に、彼らの水飲み場をなくすことも大切です。植木鉢の受け皿に溜まった水や、放置されたバケツの雨水は、こまめに捨てるようにしましょう。これらの対策を行っても、毎日しつこく同じ場所を偵察してくるハチがいる場合は、その場所に物理的な障害物を作るのも一つの手です。例えば、防虫ネットを張るなどして、巣作りができないようにしてしまえば、いずれ諦めて別の場所を探しに行くはずです。地道な予防策を講じることで、アシナガバチにとって魅力のない家となり、安心して過ごせる夏を迎えることができるのです。
【予防策】アシナガバチを寄せ付けない家にする方法